十人十色恋模様

放課後。


私と仁くんは教室に残る。


生徒は全員帰った。


これは絶好の相談日和だ。


「みんな帰っちゃったね」


「だな。あ、俺今日双葉の家でご飯食べるから」


「え?誰も家にいないの?」


「うん。親も兄貴もいないって」


「そっか。帰りにスーパーよっていい?」


「いいよってなんか幼馴染ならではの会話だよなこれ」


否定はしない。


実際に幼馴染だし、仁くんとしかできない特別な会話だから。