十人十色恋模様

「海、斗く……ん」


「待って!お願いだから……待って」


「いや、離して。この手を離してよ!!」


必死に抵抗するが手を離してはくれない。


「おい、お前……。泣いて、いるのか?」


「っ!!」


顔を隠すが時すでに遅し。


涙でグシャグシャになった自分の顔を見られてしまった。