十人十色恋模様

「ごめんなさい!前を見てなかったので」


今誰にも顔を見られたくない。


こんな涙でグシャグシャになった顔なんて。


「それじゃあ」


急いでこの場を立ち去ろうとして立ち上がる。


「待って!!」


ぶつかった相手に呼び止められ、腕を掴まれる。


待ってって、それに今の声って……。


恐る恐るぶつかった相手の顔を見ると、そこに居たのは海斗くんだった。