十人十色恋模様

「え?」


「俺と木山が一緒に待ってた時点で少しは察しているかな?って思ったけど……三条のことで話がある」


海斗くんのことで話?


なんで私に話をしようとするの?


「私は海斗くんのことで話すことなんてない」


そう言い放つとすぐに玄関の自分の靴箱の前へと行く。


「おい、少しだけだから話を聞けって」


「聞かない。聞いてもどうせ無駄」


「お前なぁ」


「話しかけないで。私は聞かないから」


何も聞きたくない。


迷惑って言われたのに聞いても苦しくなるだけだもの。