十人十色恋模様

「あっ」


しばらく抱きついてたかと思うと今度は急に離れ出す。


九廉の行動はいつも突拍子ない。


でも今回は、ただ離れたというわけではなさそうだった。


「ねぇ、あの人って……」


「え?あの人?」


一点を見つめて動かない九廉。


その視線の先を見ると、そこには三崎がいた。


見てはいけないものを見てしまったという表情でこちらをじっと見る彼女の姿が写った。