何も考えず私はただ、ただ走り続けた。



気がつけば私は大きな桜の木がそびえ立つ公園まで来ていた。




私は近くにあるベンチに腰掛ける。





顔にあたる風はまだ冷たくて、まるで私の心のようだ。





私はさっきの出来事が夢だと信じて自分の頬をつねってみたけど、頬はヒリヒリと痛くてそれが夢ではないことを私に突きつけて…




「あはは…私桜って名前なのに桜が散る頃に死んじゃうとか最悪じゃん…」



と誰もいない公園でひとりぽつりと桜の木に話し掛けた