九条くんが去った後、

バンッと屋上の扉が開く。

「ひかるっ!!!」

そこには息切れした峻くんがいた。

「峻くん?」
「橘に、ひかるが九条に連れてかれたって聞いて…!」

峻くんがギュッと私を抱きしめる。


峻くんの声。
匂い、
笑顔、
優しさ、
暖かさ。

全部全部忘れない。


「何もされなかったか?」

「……うん、されなかったよ」


私、バカだから峻くんを守るには従うしかないの…