「嫌だよな。前の人のこと聞かされるなんて。でも俺も、お前に元カレがいたって考えると…すげぇ妬ける。」

「峻くん…」

分かってる。
過去のこと気にしたって消える事はないし、
気にするだけ無駄ってことも分かってるけど…


それでも比べちゃう。
元カノと私どっちの方が良かったかな…とか。

峻くんが、その人にたくさん好きって言ってたって考えるだけでも…


「…元カレとどこまでいった?」

「へ!?」

不意に聞かれた言葉に変な声が出る。

「いや…こんなこと聞くのバカだけどさ…」

「しゅ、峻くんこそ…」

二人してモジモジし始める。

「俺は何もなかった。会うことも少なかったしキスどころか手すら繋がなかったよ」

「え、そうなの?」

なんだかその言葉にホッとする私。

じゃあ私が初めて…?

「ひかるが初めて。ひかるは?」

うわ、峻くんの後に言いづらい…

手繋いだことだってあるし、
そ、その、チューだって…

峻くんみたいに激しいやつじゃないけどさ!?
チュって軽くしただけだけど…


「…ち、チューまでは…」

私がそう言った瞬間、
ギュッとキツく私を抱きしめる。

「ムカつく。」

「しゅ、峻くん!苦しいよ!」

「俺も苦しい」

えっ…
抱きしめてる方は苦しくないんじゃ…