「あいつに何言われた?」

「え?」

「泣いてたろ。何言われた?」

言っていいのだろうか…
言って、思い出したりしないだろうか。


「…峻くんの元カノのこと…」

その言葉に、ピクッとなった峻くん。


やだ…
やっぱりまだ気にしてるのかな…?

「あの…えっと…」

「いいよ、続けて」

「…中学3年間想ってて付き合えて、高1の時に振られちゃったけど、それでも想ってて、私は身代わりなんじゃないかって…」


峻くんは黙ったまんまだった。
え…
どうして黙ってるの…?
それは肯定ってこと…?

違うよね…?

「峻くん、もしかしてまだその人の事…好き…だったりする…?」

少し笑いながらそう聞いてみる。

「っ冗談じゃない!!!!!」

いきなり怒鳴られてビックリ。
ポカーンと口が開く私。

「あ、悪い。確かにその人の事は別れても好きだったよ。」

九条くんが言ってた事本当だったんだ…

「でも、身代わりとかそんなこと俺は考えたことない。高2になってお前のこと知って…」

峻くんの顔が見る見るうちに赤くなる。

「上手くは言えないけど、俺はひかるのことが大好きだから付き合ってる。その人の事、その話されるまで忘れてたよ。」

「ほ、ほんと…?」

峻くんは私の手をギュッと握ってくれた。