「ひかる来て」

心配する私の手を掴んで私を引っ張る。

「え、でも九条くんが…」

「あんな奴放って置けばいい」

峻くん、すごい怒ってる…
私何かしちゃった…?



バタンッと乱暴にドアを開け、
屋上に入る。

「授業始まっちゃうよ…?」

「そんな事今はいい。」

つ、冷たい…

どうしよう…謝ったほうがいいかな…

「峻くんごめんね…」

「は?」

「私が騒いだから…」

泣きそうな私に焦る峻くん。

「待ってひかる。俺ひかるに怒ってるんじゃないんだ。」

「えっ?」

「九条もそうだけど、何より守ってやれなかったのが悔しくて…」

もっと早く気づいてればと峻くんは顔を歪めていた。

「そんなことないよっ!私毎回毎回、峻くんに助けて貰ってばっかりで…」

峻くんは優しい顔で私を見ていた。

よかった…
私に怒ってたわけじゃないんだ…