「次の方どうぞ〜」
とうとう私たちの番が来てしまった。
朱莉と春くんは、スタスタと言ってしまった。
「しゅ、峻くん置いていかないでね…」
絶対置いてかれるだろうけど、
なんとなく言ってみた。
入った瞬間真っ暗で、
近くでは叫び声。
不気味な音楽。
怖いって怖いって!!
そう思った矢先、
角からお化けが飛び出して来る。
「いやぁあぁあぁ!!!!!!」
思わず峻くんに飛びつく私。
「お、おい…っ」
「嫌嫌!!怖い!やだーっ!!」
お化けがこの世で1番怖い〜〜。
早く出たい。
ほとんど半べその私。
「…ひ、ひか、ひかる…」
「えっ…」
峻くんが私の名前呼んだ…?
「峻くん…?」
「悪いけど、ちょ…離れてくれ」
え?
そう思って今の体制にビックリする。
やだ、私ってば…
後ろから、ギューーッと峻くんに抱きついていた。
「ご、ごご、ごめんっ」
急いで離れる私。
もうー、私のバカ。
この間、触るなって言われたばかりなのに…
それからも、ギャーギャー騒ぎながらお化け屋敷を出た私。

