私は、そんな彼の顔を見るのが大好きで、
「また、来年も送ろう」そう思うのだ。
6月16日、
私がはじめて空気に触れた日。
彼は、お返しに和菓子をくれる。
とてもきれいなお花の和菓子を、
可愛らしい包装紙に包んで、
照れたような顔でくれる。
それを口のなかにいれると、
彼の優しさが溶けだして、
幸せ一杯になる。
そんな贈り物をはじめて、早11年。
私たちは、16才になり、
お互いの贈り物がないと自分がひとつ
年上になった気が
しないようになっていた。