きっと、傷つけてしまうし、

気を遣わせてしまう。

だから、突然姿を消す。

あたしがいなくても、大丈夫だろうし。

最近、酷くなってきているから余計だ。

「愛莉、拓真くん。

改めておめでとう!

2人なら、仲良くやっていけると思う。

だから、幸せになってね!」

これが、最後になるから。

担任の先生にだけ、癌の事は言ってある。

でも、病院の名前は秘密。

親戚には、一言も言っていないし。