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将くんがお茶を準備してくれている間に
テーブル越しにコイツと向かい合う
「狭い家だなー」
思ってても口に出すなよ。しかも、言われるほど狭くないから…
本当に早く帰って欲しい
せかす気持ちで、早速本題に入る
「で?何しに来たの?」
もちろん、もてなす気持ちはない
「それより大事な事あるだろ?同棲なんてしちゃってー」
「触らないで!!」
肘でつつくこのチャラ男に怒りの限界が近づく
「で!?何しにきたの!?!?」
キレ気味で迫る
「あかねさー今いくら貯金あんの?」
急に目を逸らして聞いてくる
「はぁ…?」
ま、まさか・・・
また?
私が地元に渋々帰ってきた理由も、全部我慢して捨ててきた夢も
全部、お兄ちゃんが原因じゃん・・・
「ちょっとさ?ちょっとだけ、…あかねのお金貸してくんない?」
ほらね。
「あんたね・・・」
もう。無理。
このチャラ付いた見た目も態度も本当に変わんないんだ
「実は、彼女に追い出されちゃってさー」
そういって口を尖らせてる顔は、一般的に見たらイケメンの部類なんだろう
でも・・・
人の夢奪っといて、ひょこひょこ女に付いて行って、ヒモになって…
「そんなんでっ!お兄ちゃん恥ずかしくないの!?」
思わず立ちあがって叫ぶ
「お前っ、なに急に、そんな感情的になってんの?」
さすがに驚いているお兄ちゃん
「あかねちゃん!?どうしたの?」
私の大声に駆け付けた将くん
でも将くんにもわかんないよ、私の気持ち…
