甘やかして、私だけ




「はーい。どちら様ですか…」

「ちぃ~すっ!あかね~元気してた?って!!」



ガチャっと開いたドアから


あんた誰!?と聞こえた叫び声に聞き覚えがある_




慌てて私も玄関に向かう






やっぱりそうだ!このチャラ男!!


見えた金髪に確信する・・・




「三村くんそいつ入れないで!!追い出してっ」

「え…三村くんに戻ってるぅ…」


悲しそうに振り向く将くんは今はどうでもいい



「いいから!!」


そんなこと言ってる場合じゃない!

だってそいつは私の人生で一番邪魔な奴・・・




「あかねぇ!お兄ちゃん聞いてないよ!彼氏がいるなんて!」



そうこの、ドアの隙間から近所迷惑を考えずに叫んでいる男こそ



私の兄、白村 蒼 (ハクムラ アオイ)



「えー♡…僕、お兄さんから見て彼氏に見えます?よかったら中に…」

「だから入れないで!!そいつ…兄弟じゃないからっ」


グッ握ったこぶしで溢れそうになる怒りや悲しみに耐える



でも我慢して、声を振り絞る


「…っあんた、なんでこっち(地元)にいんの?」

「え寂しかった?お兄ちゃんがいなくて?」


ほんとにウザい・・・


「あんたの冗談なんかで笑えるわけないから」


ニヤニヤしている兄をキッっとにらみつける


「まぁまぁ、とりあえず上がってもらおう?」


ねっ?あかねちゃんと将くんに言われ少し冷静になる



「勝手にすれば…」


とっても不本意だけど!!



「そんじゃ、おじゃましま~す!」


「靴ぐらいそろえてよ!!」





こういうとこから嫌い!!