甘やかして、私だけ



「っ…あかねちゃん、俺ね…」


急に言葉を紡ぐ…将くん…


「ん?」



急に真剣になった顔に少し驚いた


どうしたんだろう…もしかして、怒った?



私は、次の言葉に耳を澄ませる




「俺、あかねちゃんと一緒に住んでるでしょ?」

「うん」


なに、当たり前のこと言ってるんだろう

急にこの家に来たのは将くんなのに



「あかねちゃんと住んでて、余計なことして嫌われるくらいなら、ずっとこのままでいい。この距離でいいやって、思ってたんだ」


少し苦しそうに話す将くん


「でもっ、最近そんなんじゃ足んなくて…もっと近くにって思うようになって…」



優しく、包み込むように抱き締められる

ギュッと閉じ込められた腕の中は私が一番安心できる場所で…



「俺、ずっと前から…あかねちゃんのことが・・・」

「うん…」


ドキドキと聞こえる将くんの胸に体を預けて、次の言葉を待つ






「すっ…す___”ピンポーン”



「「へっ??」」



思わず顔を合わせてポカーンとする





”ピピピンポーン”



連打するな!マナーとしてどうかと思うよ!


タイミングどうこうの前に




「お、俺出てくるよ!」


待ってて、そう言って玄関に行ってしまった将くん