甘やかして、私だけ




「かわいい・・・!」



手に乗っているシンプルなラッピングに包まれたそれは




「どう?気に入った?そのネックレス…」



朝、壊れてしまった私のお気に入りのネックレスと同じ、ハートモチーフで


ハートの中に、ゆらゆら揺れているもう一個の輝くハートがとても素敵…!!




「うん。すごくかわいい…」


思わず頬が緩む

私の好みがわかるなんて、本当に三村くんは不思議…



「でも、どうして?」


どうしてこれを今くれるんだろう・・・



「あかねちゃん、朝落ち込んでたし!これプレゼントしたら笑顔になるかなって」



え・・・?

そんな理由で?



「ふふっ、変なの」



明るく言い切る三村くんがなんかおかしい


私を笑顔にするために選んでくれたんでしょ?


こんな私の笑顔に、三村くんにとって何の価値があるかさっぱりわかんないんだもん…




「ありがとう。明日から絶対つけるね!」


なんか、勿体ない気がするけど、せっかく三村くんがくれたんだもん使わなきゃ損だよね!



「じゃあ、俺が今、つけてあげる」

「え、いま?」

「うん。ほら貸して?」



ネックレスを私の手から取って、前からそっとつけてくれる


「…!」


近いっ!!

目の前にある綺麗な三村くんの顔が恥ずかしくて見られない

それに、首に触れる手がくすぐったい


私の心臓の音が聞こえてしまいそうな距離…







私は、ぎゅっと目を瞑ってつけ終わるのを待つ





「できた!ほら、絶対似合うと思ったんだ」

「ほんと?」

「うん、とってもかわいいよ」

「っ!」



そう言って、つけてくれたネックレスに触れる


触れた手と、素直に聞き入れてしまった三村くんのかわいいに、


自分の顔が赤くなるのが分かる


「・・・!」


慌てて隠すように顔を背けるも



「あれーあかねちゃん顔赤くない?」


ニヤニヤとわざとらしく三村くんは聞いてくる


「気のせいでしょ!」

「うそだ、首まで赤いけど?」

「え!うそ!」


え、どうしよう!恥ずかし過ぎるんだけど!


「ふっ、うそ。」

「えっ…‼」


ダマすなんてひどい…!!

そう思って少し怒ろうとすると…


「…ひゃぁ…‼」


グイッと頭の後ろに回った手に引き寄せられて


ちゅっと、首にキス…された…??


「・・・。」


突然のことで、まだ感覚の残る首をおさえて固まる




「…俺、もうダメかも。」

「っ何が!?」



何かを諦めたような三村くんに、

身の危険を感じるのはなぜ!?…



ハッとして、三村くんを見つめる



「そんな、かわいい顔で見ないでよ…」


熱っぽい視線を送ってくる三村くんは何だか色っぽくて…


グイッと私の腰を引き寄せる



「なんか、近すぎないッ?」

「そんなことない…」




いや、どこが!?