甘やかして、私だけ



「…ちょっと待った!」

「うわっ‼」


急に腕を掴まれて驚く



「あかねちゃん、なんか機嫌悪い?」

「そんなことない…けど」


別に、機嫌が悪いんじゃない・・・

何んとなく気まずくて目をそらす



「じゃあ、なに?俺なんかした?」

「!…別になんでもないから!」


心配そうにのぞき込む三村くんに罪悪感を感じる…


素直に、千代子さんてどんな人?って、聞きたい。そうしたら楽になる?


でも、それじゃあ、私がなんか、・・・



やきもち妬いてるみたいじゃんかっ



「ねぇ。離して」


掴まれたままの腕を見る


「いやだ」

「なんで!?」


すると、グッと掴む力が強くなる


「俺が、離したくないから。だから、こっちきて?」


そういって座っている横に優しく引き寄せられる



「なんなの、」


でも、大人しく座ってしまった・・・





「俺ね、あかねちゃんにプレゼントがあるの」

「プレゼント?」



私誕生日でもないし。
そもそも、プレゼントもらうような間柄じゃなくない?


思っていながらチクリと胸が痛くなる




「きっと喜んでくれるはず!」



そう言って、目の前に差し出されたものを




私は、そっと受け取る…