甘やかして、私だけ



*:*:*~~~



「はぁ~」


結局二人分作っちゃった



並んでいるオムライスを見てため息をつく





あんな、詐欺師に食わせる飯なんてねぇって帰ってくるとき思ってたのに・・・



だって、特別な人がいるのに私となんか住んで


優しくして、触れて・・・って!!



「思い出してドキドキすんな!自分!」



もう、いい。昨日なんとなく気づいちゃったけどいい。


我慢しなくちゃいけないことなんて、人生沢山あるんだから!


だから、この家に住んで、働いて、頑張ってるんだからっ…!



「これで、よしっ!」


三村くんのオムライスにケチャップで最後の仕上げ!







*:*~



「いただきます」


ぱくっと一口オムライスを食べる


う~ん!おいしい!我ながら上出来だね!




「ねぇ、あかねちゃん?」

「なに?」

「なぜ、俺のオムライスに書かれているハートは割れているの?」



スプーンを持った三村くんの目に映っているのは


ケチャップで書かれた、真ん中がギザギザになっているハートで



「気のせいじゃない?」

「え?これが?」

「食べれば一緒でしょ」

「そうなんだけど、気分的に…」



ったく、つべこべうるさいなぁ・・・