「よかった。寝るには少し早いもんね」
「っ…」
そうささやいて、優しく頭を撫でられる
あんまり、今、優しくしないでっ…
「ところで、なんで俺の布団で寝ているのかな?」
ふっと笑って少し意地悪に言う
でも、髪を撫でる手は変わらず優しくて
つい、正直になってしまう・・・
「…三村くんの匂いがするから」
すこし顔を上げて小さな声で答える
だって、変態ちっくなことして、堂々と答えられないよ!
「ふふ、そうなんだ。」
「う”んっ」
つい出た、私のドスい声に反応する…
「…泣いてる?」
「泣いでないっ」
うぅ・・・なんで今のタイミングで涙が出るの?
「ふふ、そんなに俺がいなくて寂しかったの?」
「っ…‼そんな…わけない…」
「俺は超寂しかったよ?」
食い気味で言ってくる三村くん
「だから、起きててよかった…」
撫でるのをやめ、今度は私の前髪を優しく掬う
「おねがい、顔見せて?」
「…っ!」
とびきり優しい声に胸が苦しくなる
その声に抵抗できなかった私は、
素直に顔を上げる
「っ…おかえりっ。三村くん…」
「ただいま。あかねちゃん」
「ふっ…うぅ……ひっく」
「…えぇ?!そんなに泣かないで?」
完全に崩壊した涙腺から止めどなく流れる涙は、自分でも止め方がわからない・・・
だから、
涙をぬぐってくれる、温かいその手に、
私は甘えるしかないのだ・・・
