甘やかして、私だけ




「何も見えないッ!!」




犯人はアイツだ!

電気のリモコン持ってたの知ってるんだから!





ってか、私真っ暗ダメなんですけど!!寝るときも豆電気派なのにっ!!



目が慣れるまで、なにもできずに突っ立ていると…



「きゃっ!」

「捕まえたっ♪」



突然、暗闇から伸びてきた腕に引かれる…




やめてよーーー!

もう、このくだり飽きたよ!!


ちょっかいばかり出す三村くんにため息が出る





案の定ベットに引きずり込まれ・・・



「壁側いやだ…」

「なんで?」

「逃げられないから」



警戒心MAXで三村くんの横に寝る




「んー。いい匂い♪」

「同じシャンプー使ったでしょ」



なんか、クンクン嗅いでくるし…


それでも、


これでもかと、ピタリ、くっつけられた体が


なんでだろう・・・不思議と… 安心する・・・。





暗さに目が慣れてきた頃、微かに見えた顔…



「三村くんって、前から目悪かったの?」



二年前は掛けていなかった眼鏡がずっと気になっていたのだ




寝る前で、眼鏡のない顔が、なんだか懐かしくて・・・



そっと三村くんに触れる…



「…あかねちゃんって暗いと大胆になるタイプ?」


「なにそれ…」



一瞬、ビクッとしたけど、すぐに気持ちよさそうに頬を摺り寄せてくる



「眼鏡…。無い方が私は好きだな…」


「じゃあ、明日からコンタクトにする」


「ふふっ。単純。」




なんか、恥ずかしいこと言った気がするけど


暗いし、まぁいっか・・・。



「かわいい…。」


「え?」


「俺、あかねちゃんの笑った顔、大好き」


「ひゃっ‼」





なに!?




だが、それは、すぐにわかった…




パジャマの中に手を入れるなっ!!



急いでそれを阻止しようとする





「あかねちゃんの肌スベスベ~」

「調子に乗るなぁ~~」



目の前でニヤニヤしている奴の鼻を全力でつまむ


「いっ‼痛てててっ!」



ひるんだ隙に、相手の懐に入る・・・


「私、もう寝るから…おやすみ。」


「えっ!そこで寝るの?無理無理!それ拷問!」



三村くんの胸に顔をうずめ、抱き着くようにして眠りに入ろうとする




だって、逃げたら追ってくるし、離れたら寄ってくるし・・・


私がくっつけば何もしてこないでしょ!!




押してダメなら引いてみろの逆バージョンだね!




「ねぇ、俺あっちに寝るから!」

「だーめ。」


慌てて出ようとする三村くんを引き留める