甘やかして、私だけ




「……っ‼なっ、何…‼」



ち、近い!!


いきなり近づいた距離に戸惑いを隠せないでいると



しっかり私を抱きとめた後、髪の毛優しく掬くう



「あかねちゃん…なんか前より大人っぽくなった…?」




「っ‼そ、そんなこと!ないと思うけど…」


さらに、顔を近づけてきた三村くん



心臓がバクバク鳴って、目も合わせられない…




「こんなにかわいくなっちゃって、俺どうしたらいいの?」


なに、うっとりしてんの。そんなの…


「離せばいいとおもう」


まず、離そう、絶対この距離おかしいから



「えーやだー。くっついていたいー」


子供かっ、いいから離せっ!


「んぐぐっ」



全力で三村くんを押し返しす



だけど



「はなして!はなして!いやだー」



全然解けない腕に全力で反抗する



「わかった!暴れないで!俺悲しい…」


「はぁ!もぅ、セクハラするならさっさと帰ってよ…」


「え?!俺本気で泣いちゃうよ!」



”うえ~ん”なんて泣き真似する姿は、爽やかな見た目に釣り合ってない




あ、言い忘れてた…


い、一応ね、一応!!!



「三村くん」


さっきと変わって優しく声をかけてあげる



なぁにと渋々顔を上げた彼をしっかり見つめる