甘やかして、私だけ




私はキッチンに立ち、三村くん用のお茶を用意し始める




「うん。とくに男の形跡はないな…」


バカにしてる!?!?


「ちょっと!まじまじ人の部屋見ないでよ!」



さっきからキョロキョロ、落ち着かないというか、せわしないというか……





テーブルにお茶を置き三村くんの向かい側に座る


「ん、ありがとー」


お礼を言ってお茶を飲む三村くんを見る・・・




うん…


やっぱり別人だ!!!!




馴れ馴れしい所とか口調は変わって無いみたいだけど、

見た目の変化のせいで全然慣れない…




私は、一口お茶を飲み気分を落ち着かせる



そして


「ところで、三村くんはどうしてここにいるの?」



早速、気になっていたことを聞いてみる



だって、電車で来たとはいえこんな田舎に用があるとは思えない、


それに、三村くんの地元ここじゃないみたいだし…



って、そもそも二年前も三村くんはなんでここにいたんだろう・・・_



「ん?ああ、あのね…」


そっと三村くんは口を開く




「俺ね、この春からここで鍼灸師として働くんだ」



ハッキリそう言った三村くん




「シンキュウシ・・・??」



鍼灸師ってあのはり師~とかあん摩~何ちゃらとかいう国家試験のやつ??



「そう、俺の家、結構有名な鍼灸院でさ、なんとなく流れでそうなったみたいな?」



そういって、へへっと笑う三村くん


爽やか・・・。


そうじゃなくて!!