甘やかして、私だけ




「さて、早くお風呂入って寝よ~」



三村くんに言われた通り戸締りをして、一通りのことを済ませる




そして、最近お気に入りの入浴剤の香りに包まれ一息つく


「ふぅぅ~」

お湯に浸かっている時間って本当に幸せ~♪



お湯とともに普段の疲れが流れてゆくみたい




「私のせっかくの休日を取られたからな…」

ポンと三村くんの顔が頭に浮かぶ



本当は一日中ゴロゴロ、ダラダラしてるつもりだったのに…‼



頭の中の三村くんに怒りをぶつける

でも、どこか憎めない人なんだよね…



たくさん振り回されたし、セクハラだってしてくるし、つかみどころないし


でも毎回ドキドキしてる自分が…


「いいや!ちがう!」

ドキドキするのは私が男の人に免疫のない干物女だからだであって‼…



頭を振って頭の中の三村くんを追い出す


浴槽の波とともに自分の心も落ち着かせる



まっ、干物女はもう抜け出せないってねぇ~♪

「ふふっ」

そう、一人で笑ったり、テレビとしゃべったり、そんなことはもう慣れっこ



今の職場も長くいれば給料も上がるし、男っ気がなくたって女はのびのび生きていける世の中になっているのだ




だから、三村くんなんかに振り回されてたまるかッ‼


まぁ…たまに会う分にはいいけど…


またねとか言っちゃったし…