甘やかして、私だけ




三村くんは私の手を引いてどんどん進んでいく



「結構遠いね・・・」



なんか恥ずかしくって静寂が気まずくて、思わず声をかけた


「そうだね、でも、もうちょっとかな!!」



変わらず、平然としている三村くん


あたりまえだよね!!社会人にもなる人が恋愛経験の一つや二つ・・・



うっ・・・。

自分の言葉が自らの胸を刺す


本当に21年間も何やってたんだろうわたし・・・





「ねぇあかねちゃん?」

「なっ、なに?」



ほんの少しだけ前にいた三村君が振り向いて話しかけてきた




「その、あかねちゃんはさ、好きな人とか付き合ってる人っているの?」



はっ?何を聞くかと思えば!


「い、いないよ! どっちも・・・」



いないよ。いるわけない。


こんな平凡な女に彼氏なんぞ。。。




「そうなんだ。じゃあさ、参考までに聞くんだけど・・・」

「うん。なに?」

なんか、三村くん急に緊張してる?




「・・・あかねちゃん的に、俺ってあり?」



三村くんは、私の様子をうかがう様にして問いかける





・・・はい??



ありって、あの、あり?


これまた唐突に、そ、そんなの・・・!!


決まってる。。。





私は、私よりもずっと背の高い三村くんの目をしっかりと見据えた。。。