甘やかして、私だけ

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無理やり助手席に乗せられ、車を走らせてどれくらいたっただろうか



こいつ、ずっと質問してくる。




あかねちゃんは、ここ地元がなのー?
あ!あかねちゃんの趣味はなんなのー??
あとあと~あかねちゃんは、何が好き?
食べ物とかー動物とかーお店とかー
教えて教えてーー!!




運転しながらよくペラペラと・・・



「・・・。」


私は問いかけに無視して外の景色を眺めていた




「ねぇ?あかねちゃん?聞いてる??あ!わかった助手席の窓に反射する俺に見惚れてる??やだなー直接見ていいんだよ?穴が開かない程度にね??♪」



はぁぁああ!?


何を言うかと思えば!!見惚れるわけないでしょう!?


「違います!!外を見てたんです!外を!」


「お!返事してくれた!でもその敬語やめない?」



俺ら同い年でしょ?と当たり前のように言う



「なんでしってるの??」


「お、もしかして当たった?」


「え?!もしかして適当??」


「適当じゃないよ。フィーリング!!」



もぅ、この人意味わかんない。





でも確かにさっきみた三村くんの免許証には私と同じ生まれた年が書かれてあった




「まっ嘘なんだけど!実はあかねちゃんのこと前から知ってたんだよね~」


三村くんは運転しながらもチラっと一瞬こちらを向いてそう言った




あぁ、連絡先が書いてあった紙、私もよくいく居酒屋のだったもんね。


顔ぐらい知ってても変じゃないか




「私は知らなかった。こんなナンパ師と行きつけが同じなんて!」



意地悪い顔をして嫌味をいってやる


散々私のこと振り回して、これくらいいいよね!




「ナンパ師ってなに?!俺ナンパなんてしてないっ…」

「はいはい。運転に集中!どこに向かっているか知らないけど・・・」



三村くんの言葉を遮りながら言う



「そうそう、あかねちゃんは動物好き?」


「まぁ、好きだけど」


「だと思った!ってことで動物園に行きましょう!!」



えぇぇぇ!?!?いきなり?突然?



まぁ、ここからそんなに遠くはないけれど・・・



って、そういうことじゃない!



「なんでいきなり、三村くんと出かけなきゃなんないの??」



食い気味で聞く



「だって、あかねちゃんが”動物と将くんが大好き”って言ったから♪」



言ってない。大好きとも、将くんって下の名前も言ってない・・・。



「・・・。」



「ん?あかねちゃん?照れてる?・・・。おーい!!」






あきれて言葉が出ないよ。。。_____