甘やかして、私だけ




:*~




「はい、あーん。」




箸でたこさんウインナーを挟んで将くんの口まで運ぶ




私たちは改まって

公園のベンチに座ってお弁当を食べているのだが…




「うん、おいしい」



ぱくっと食べてそう言ってくれる将くんのお顔が妙に近い




「なんか、近いね?」



とりあえず笑顔で聞いてみる


こんな昼間からしかも暑いのに公共の場でさすがにこれはなくない?





腰に回された腕にこれでもかと引き寄せられて、さすがに身じろぐ




「そんなことないよ~」


「あはは…」




まぁ、なんかご機嫌だしいいかな?



あ、そうだ、ふと千代子さんに言われたことを思い出す



「ねぇ、将くん」


「ん?なに?」


「美容鍼灸ってなに?」



言われようは散々だったけど、少々気になっていたんだよね



会社でクーポンも貰ったし友子たちと受けてみようかなって思ったんだけど…




「え!?無理!俺あかねちゃんの顔に鍼なんてさせないよ!!」




急に、ブンブンと手を目の前で振って言っている将くん



いや、それがあんたの職業でしょうが・・・


それに、将くんに頼んでるわけでもないし、行くかも決めてないし





じゃなくて!!




「やっぱり、大人の女性だったらそういうのも大切じゃない?」




すこし首をかしげて聞いてみる


美意識というか劣化防止?!




最近は一年があっという間に感じるしきっと気づいたら30歳とかなんだよ

雑誌でよく見るし…


だから、早めに美意識を!!



まだ20代前半とか言ってらんないって杏奈も言ってたな・・・