甘やかして、私だけ



「兄弟とはいえ許しません」

「うわっ」


突然会話に入ってきた将くんに引き寄せられる



「お~」


お~じゃないよお兄ちゃん!!


「ちょいきなり何!?」

「あかねちゃんお兄さんとラブラブしてるから」


はぁ!?ラブラブなんかしてないし!



「俺にもかまって?」

「え。。。」


そんなこと言われても・・・


私が反応に困っていると




「じゃあ、俺は邪魔みたいだから帰るわ」

「えぇ!お兄ちゃん!…」



もう帰っちゃうの?



私は慌てて、玄関に向かうお兄ちゃんの後を追う



「はーい。お兄さん、おやすみなさい!」


こいつの手を払って・・・!





「お兄ちゃん!さっきはひどいこと言ってごめんね…」


靴を履いている背中に話しかける


「いいんだって、全部俺が悪かったんだから」

「そんなことない!」



もう私、大人になったからわかるよ

お兄ちゃんが全部悪いことなんてないんだから



「いいから、気にすんなって」


「でもっ…」



私をしっかり見て言ってくれる

そんな、真っすぐな瞳が・・・



「あかね、ちゃんと将くんと仲良くするんだぞ?」


その笑顔と優しく頭を撫でてくれるこの手が・・・



「っ…」


じゃあ…そういってドアを開けた時

私は



「お兄ちゃん、だいすきっ!」



ぎゅっと、子供の頃のように


大好きな背中に抱きついた・・・