「あー兎衣。おはよ」
「はよっす」
空き教室のドアを開ければ
思った通り二人が居て、
晴海はお菓子を食べながら
陸斗(りくと)はゲームをしながら
挨拶を飛ばしてきた。
「おはよう。流谷は?」
「そろそろ来るんじゃねぇ?昼頃着くってLINE来た」
「そっか」
スマホのバトルゲームに精を出しつつ
答えたのは田嶋 陸斗(たじま りくと)
スポーツ大好きな脳筋だ。
「あ、晴海!あんた学校来るなら教室にも顔出してよ」
「え、何故。やだよーめんどっちぃ」
晴海はあからさまに嫌な顔をしてポテチに手を突っ込む。
しかもそれ新作の味じゃねーか。
私にもよこせ。
「何故って…晴海来ないと私ぼっちなの!どれだけ寂しくて惨めか…!」
少し大げさだが
わっと顔を手で覆い泣き声を上げてみた。
するとどうだろう。
晴海の慌てた声が聞こえてくる。
え、チョッロ。
大丈夫かなこの子。
「わ、分かった分かった!…明日から行ってあげるからぁー」
「ありがとう!」
まぁとりあえずこれで
ぼっち、回避だぜ!
