甘色の恋~君のことが好きな私は悪役ですか?~




四人で校内を歩いていると、


いつもより多くの視線を感じる。



そしてそのほとんどが


男三人のうちのどれかを狙っている女子の黄色い声か


そんな三人と一緒にいる私への陰口だ。



でも皆遠巻きに見てるだけで


実際に声をかけてくる人はいない。



やっぱり、


怖がられてるんだろうな。



「流谷、なんか奢ってよ」



「は?意味わからんし」



「この前お昼奢ったでしょ」



「あー……はいはい」



私はというと


そんな女子達の視線にすら


不安と嫉妬を抱いて


わざと目につくように


流谷に腕を絡める。






そこまでするくらいなら


さっさと告白でもしてしまえばいいってことぐらい


私も分かってる。



でも振られた時のことを考えて


結局踏み出せない私は本当に


惨めで、つまらないなぁ。