「……俺は、大神流谷」
「大神くんね!よろしく!」
「ああ。じゃ、行くから」
「あ、うん!」
なに、これ。
何を。
私は何を見ているんだろう。
まるで甘酸っぱい青春の一ページ目、みたいな。
まるで運命の出会い、みたいな。
同じ世界に居るはずなのに
私と二人の間に
透明の壁がある。
「……い、うい!」
名前を呼ばれて
ハッとする。
夢でも見てたみたいだ。
「流谷……」
「おう。迎えに来てくれたんだろ?…何かあったか?」
「う、うん。大丈夫。皆部屋で待ってるよ」
「……ああ」
全然大丈夫じゃない。
さっきの子可愛かったね。
名前教えてた。
気になる?
私は運命感じちゃったな。
気を緩めたら
全部溢れだしそう。
気持ち悪い。
