「ん、そろそろ私流谷を迎えに行こうかな」
結局流谷は私達が食べ終わるまでに来ることは無かった。
お弁当を片付けてソファから立ち上がる。
この教室には私達の私物が色々持ち込まれているけど、
このふかふかソファもその一つ。
確か陸斗が持ち込んだんじゃなかったかな。
引っ越す時に「置き場がないから」て言って。
「私正門まで流谷迎えにいくね」
「「おっけー。俺寝てるわ」」
「……二人共ほんと仲いいよね」
怖いほどのシンクロ率よ。
まあ、仲が良いのはいい事だ…?
仲良く転がる二人を残して教室から出ると
てくてく歩いて正門を目指す。
……考えるのは、流谷のこと。
私だってずっとこんなギャルだった訳じゃない。
流谷に……
いわゆるヤンキーというやつである彼に
少しでも近づくために、こうなることを決めた。