んー、それにしても流谷は昼から来るのか。



お昼ご飯食べてまだ来てなかったら


正門まで迎えに行こうかな。



「あ、兎衣今日も手作り弁当?」



スクバからお弁当を取り出すと


すかさず晴海が蓋を開けてチェックする。



「そうだよ」


「いいなぁ、おいしそう。今日もおれ売店のパンだよ」


「お母さんは?」


「……まだ喧嘩中」


「いいじゃん、パンうめーよ」



ゲームの手を止めた陸斗がそう言って焼きそばパンにかぶりつく。



「あれ?陸斗今日弁当じゃないんだ?」



晴海が不思議そうに首を傾げた。


確かに陸斗は弟達の分と自分のを作ってたはず。


見た目は厳ついヤンキーの癖にこの男は面倒見がいいのだ。



「寝坊しちまって。自分の作る余裕なかったんだよ」


「なるほどねー」



その後も、この後の授業がどうだーとか


新しいゲームが面白かったとか、


とりとめのない話をしながら三人で笑い合った。



何気ない日常の風景だけど


だからこそ幸せだなぁ


とか思ったり…。



お弁当の具をつつきながら私は


思わず口角が上がるのを感じた。