「…行くかな」


そう言い、やっとの思いで立ち上がり、数学教材室へと向かった。

響夜先生のとこになら喜んで行くんだけどなぁ…。

そんなことを思いながらボーっと歩いていた。

角を曲がるとき


ドンッ


「いったぁ~…」


あたしは人とぶつかってしまった。

一体今日はなんなのよ…。

寝不足だし、新木隼斗に呼び出されるし、人にはぶつかるし。

本当についてない。

そう思うと段々と腹がたってきた。

腹いせにぶつかった相手に怒りをぶつけようとした。


「ちょっと、どこ見て歩いて…」


その後の台詞は、目の前の人を見た瞬間に消えていった。

だってそこにいたのは…


「大丈夫か?」


響夜先生だったから。