二人で住むって……

その瞬間、体がドキンッとした。

あの門馬雪人と、二人で住むなんて言ったら、奇声を発する女子は、山ほどいるだろう。

いやいや、これはおじいちゃんを元気にさせる作戦なんだから。

私は、頭をブンブンと横に振った。

顔を上げると、門馬雪人がこっちを見ながら、ニヤニヤしている。

きっと、私があたふたしているのを見て、喜んでいるんだ。

よし。

とびきりいい部屋を、チョイスしてやる。

私は、胸にそう誓った。


翌日。

目の下にクマを作りながら、私は門馬雪人のデスクに向かった。

「おはよう、市川。」

「おはよう。」

そして昨日の封筒を、目の前に置いた。