情熱的に愛して

「当たり前だろ。結婚の挨拶だぞ。」

胸がドキンとした。

あの門馬雪人が、私の為にカッコよくキメてくれるなんて。

いや、いつもカッコイイんだけど、更にパワーアップしてると言うか……

「何やってんだよ。そう言う設定だろ?」

「あっ、ああ……」

設定ね。

さすが、デキる男はそこまで拘るわ。


「とにかく、中に入って。」

「お邪魔します。」

本当に折り目正しい奴は、靴の脱ぎ方までカッコイイ。

「まあまあ、よく来て……あら、カッコいい。」

振り返ると、お母さんが門馬雪人に向かって、目をハートに!

「お、お母さん!?」

「ほほほ。冗談よ。夏海の彼氏だものね。」

本当に冗談だったのか、疑わしい。