情熱的に愛して

うん。

いい作戦かもしれない。

「その話、乗った。」

「そう来ると思ってた。」

私と門馬雪人は、力強く握手をした。


「そうなったら、早速おまえの家に、挨拶に行かなきゃな。」

「ええ、いいよ。」

私は、手を横に振った。

お父さんとお母さんも巻き込むなんて、なんだか大袈裟だ。

「いや、騙すなら味方からって、言うだろ?」

門馬雪人は、バチッとウィンクをした。

長い睫毛が、憎たらしい。


「分かったわ。週末は?」

「さすが仕事、早いね。」

こういう時だけ、誉められても何にも嬉しくない。

「じゃあ、そう言う事で。」

持っていた書類を、テーブルに置いた門馬雪人は、ポケットからスマートフォンを出した。