情熱的に愛して

「事情ねえ……」

確かに、門馬雪人が結婚を言いだしたのは、私がおじいちゃんの話をしたからだ。

「あくまで、おまえのじいさんを安心させる為に、無謀な冒険を諦めさせようと……」

「無謀な冒険って、何よ。」

私は口を尖らせた。


幸せな結婚の為の努力を、無謀な冒険と言うなんて。

そんな事を言う奴は、絶対幸せにならない!


「と言う訳だから、実際おまえと籍を入れるんじゃないし。じいさんが安心して元気になったら、頃合いを見て別れた事にすればいいだろう。」

「なるほどね。」

その間に私は、ゆっくりとお金持ちの社長を見つければいいって事か。

焦る必要もないから、騙される事も少ないし。