「……ありがとう。」

すると奴が、こっちを見た。

「何よ。」

「いや、礼とか言えるんだなと思って。」


はぁ?

そこまで、私を馬鹿にしていた訳?

やっぱり許せない、門馬雪人。


「って言うかさ。何でそんなに合コンに拘るわけ?」

「合コンに拘っている訳じゃないの。社長と出会いたいの?」

「社長!?」

奴は、飛び上がる程驚いていた。

「無理無理。」

「どうしてよ。」

「さっきだって、唐揚げと焼き鳥間違えたんだぜ?社長やってるハイスペックな男が、おまえみたいな女選ぶか。」

頭の上に、何かが落ちてきた。

頭が痛い。

ついでに、胸も痛い。


「いいじゃない、約束したんだから。」

「誰とだよ。」

「おじいちゃんとよ。」

「おじいちゃん!?」

門馬雪人は、またもや奇声を上げる。