情熱的に愛して

その時だ。

居酒屋の扉がスーッと開いて、入って来た男に私は、目が点になった。

あのクールなドS、門馬雪人だったからだ。

私は咄嗟に、顔を背けた。


どうして、あいつがここにいるの?

って言うか、私達に気づかないで。


「おっ、来た来た。」

伊達さんが、手招きをしている。

「先輩、すみません。」

そう言って、やって来たのは……


そう。

門馬雪人だった。


奴は、固まったままの私の前に、ストンと座った。

コートを脱いで、空いている椅子にドサッと置く。


「あれ?市川と若林じゃん。」

「もう一人って、門馬だったの?」

秋香と門馬雪人は、驚きもせずに会社と同じように、会話している。