情熱的に愛して

「そうなんですか。」

秋香は笑顔で私の肩を叩いた。

「痛いな、何?」

「夏海、チャンスよ。」

「チャンス?」

秋香は、私の耳元でこう囁いた。


「残業しているって事は、普段女性と出会うチャンスが少ないって事でしょ。」

「うんうん。」

「しかも、出世する事間違いなし!もしかして、未来の社長コースかもよ!」

私の目の前が、パーッと開けた気がした。

「うんうん!それいいね。」

「でしょ?」


よおし。

今日の合コンは、気合入れていくぞ!

私がガッツポーズをした途端、伊達さんは『じゃあ、お店に移動しますか?』と、気の利いたお誘い。

私と秋香は軽い足取りで、伊達さんの後を追いかけて行った。