「もう、いいよ!」

私は、テーブルを叩いた。

「どうせ、一緒にいたのは、清水係長なんでしょ?」

「えっ……」

「ほら、言い返せないじゃない!」

門馬は、静かにそこに立ち続けた。


「聞いてくれ、市川。」

「何を聞くの!?」

もう、私の気持ちはどうだっていいんだ。

清水係長とやり直すんだったら、それでいい。

私は、この家を出て行くだけだ。


「確かに、今日一緒にいたのは、清水係長だよ。」

私は、大きく息を吸った。

はっきり言われると、こんなに傷つくものなのか。

「でも、寄りを戻すとか、そう言うんじゃないんだ。」

私は、顔を上げた。

「……どういう事?」

「はっきり言ってきた。今、俺の大事な人は、市川だって。」