情熱的に愛して

「ええ~!!私がですか!?」

驚いて、大きな声を出してしまった。

「市川、門馬の同期だろ。力貸してやれよ。」

「……はい。」

もう不機嫌感が、体中から滲み出ている。

「よろしくな、市川。」

「特別にね。」

私がそう言うと、周りからクスクス笑い声が聞こえてきた。


「市川さんと門馬君って、本当に仲がいいよね。二人、付き合っているの?」

「付き合ってません!!」

ほら、女性の先輩に誤解された。

「息もぴったりだもんな。いっそ、付き合ってみたら?」

「嫌ですよ、こんな仏頂面の奴と。」

挙句の果てに、男性の先輩にまで。

「まあまあ。俺にも選択権はあるんですけどね。」

一人門馬雪人だけが、冷静に答える。