答えは一つ。

門馬の口から、”私だけ”だと言ってほしい。

鈴木係長なんて、関係ないって。


「ねえ、門馬。」

「なに?」

「下らない質問かもしれないけれど……」

私は、自分勝手な質問を、門馬に投げかけた。

「私と鈴木係長が何かあったら、助けるのはどっち?」

「えっ……」

門馬は、唖然としている。

呆れているんだ。

私は、うつ向いた。


「ごめん。本当に、下らない質問だよね。」

「市川……」

「忘れて。夕食、美味しかった。」

私が、立ち上がろうとした時だ。


「何かあったら、助けるのは市川だよ。」

私の目が、大きくなる。

「当たり前だろ。一緒に住んでいるんだから。」