「別れを切り出したのは、俺の方だよ。清水係長は……納得していなかったけれどね。」

「そうだったの。」

それを聞けば、心が軽くなると思ったのに。

全然、気持ちが晴れない。

私は、顔を両手で覆った。


「……清水係長に、何か言われたのか?」

ハッとした。

「ううん。何も……」

「だったら、いいんだけど……清水係長、やけにおまえの事、聞いてきたから。」

私は、顔を上げた。

「何て?」

「俺と付き合っているのかとか、どんな人なのかとか。」

すると門馬は、顔を上げた。

「もちろん、一緒に住んでいる事も、偽装結婚している事も言ってないよ。」

「うん……」


頭が重い。

どうすれば、この苦しみから、抜け出せるんだろう。