情熱的に愛して

そしてみんなで、会議室に入る。

「今回は、この門馬の企画通り……」

部長も門馬雪人の企画にご執心のよう。

私の企画は、10回部長に見せたって、通らないのに。


「……と言う訳で以上。もっと門馬の企画を……」

あーあ。

頭の中に入って来ない。

何であんな奴の企画に、力を砕いてやらなければならないのか。

「って、おい。市川、話聞いているか?」

「はい!」

聞いてないけれど、聞いている振り。

「いいか。今度の企画は、門馬を中心に攻めていけよ。」


なんで門馬雪人ばかり、そんなに期待されるんだろう。

私は心の中で、口を尖らせた。

「特に市川。」

「はい!」

「門馬のアシスタント、頼むぞ。」