秋香は、新しいリップを唇に塗っている。

「でも、私にはその力がないんだよ。」

「そんな事ないんじゃない?結構、力になってるよ。」

「企画書書くだけの私が?」

「企画書?」

私と秋香は、顔を見合わせた。

「何の話?」

「何のって、合コンの話でしょ。」

「ああ……」

あまりにも、門馬の事で頭がいっぱいで、合コンの話をすっかり忘れていた。


「そうだ、門馬来れるかな。」

「門馬!?」

名前を聞いて、ドキッとする。

「知り合いの女の子が来るんだよね。門馬が好きそうな。」

「えっ……」

そう言えば、門馬ってどういう女性がタイプなんだろう。

考えた事もなかった。

「……言ってみるね。」

「頼むよ、夏海。」