私は門馬のその言い方に、ムッとした。

「そんな事ないわよ。」

「そんな事ある。あの企画はまだ、俺達の段階だろ。部長からOK出されないと、そもそも新ブランドの話も無くなるんだよ。」

「あっ……」

私は、頭に血が上ったばかりに、大切な事を忘れていた。

「まったく、おっちょこちょいだな。」

「ごめんなさい。」

なんだか門馬に、撃ち果たされた感じ。


「だけど、このままでいいの?」

「えっ?」

「店長も店員さんも、本当はもっと、この会社の為に頑張りたいんだよ。それをただ売り上げが悪いからって言う理由で、勝手にダメって決めつけていいのかな。」

「市川……」

私はカバンを持つと、門馬の前から立ち去った。