「さあさあさあ!
着きましたよ着きましたよ!
私がなんでも好きなものを
君達に買ってさしあげましょう」

五十嵐教授ははしゃいでいる

「じゃあ俺はたこ焼きお願いします」

「わたしは…かき氷で」

五十嵐教授は
言っていないものまで買ってしまった

「わたし達こんなに食べれませんよ!」

「若いから良いじゃないですか!」

そう言って五十嵐教授は
本命のイカ焼きの店に突撃していった

「…どっかで休もうか」

残された二人は誰からともなくそう呟いて
高台の丘に向かった

斜面の土に足を取られたのを
柏木くんが手を伸ばして引っ張ってくれた

「あ、ありがとう」

「うん」

なんだか、柏木くんが随分とおとなしい