「まぁまぁお嬢さん
そんなに急いでどうしたの?」

呉服屋の扉を開けると
艶かしい雰囲気のお姉さんが立っていた

猫のような目に
黒と白のアーティスティックな着物が
似合っている

「…あ、実は、浴衣を探してて」

「ちょうど良い浴衣がございますよ」

怪しい笑みを浮かべたそのお姉さんは
女のわたしから見ても魅力的で官能的に見えた

ぼうっとしていると
奥の部屋へと案内された

「急いでいるなら着て行ってしまいなさいな」

「ええ?!」

戸惑っている間に服を脱がされて
着付けが始まった

肌に当たる布が上質であることは
素人目でもわかる

素早い手さばきで着付けをされる

「…ちょっと!
わたしこんな高いの買えません!」